入学式が行われました。

4月8日に第2回入学・進級式が執り行われました。

今回は入学式で燕三条校代表が述べた式辞を紹介致します。

 

 

松陰高等学校燕三条校に入学された皆さん。ご入学おめでとうございます。また暖かい愛情を持って、新入生をここまで支えてこられた、ご家族の皆様に心からのお祝いを申し上げます。

新入生の皆さんは松陰高等学校燕三条校での新たな生活に対して、期待や希望もある反面、不安もあることでしょう。でも本校の教師も職員も熱い心を持った人たちばかりですので、どうぞ安心してください。これから一緒に「生きる力」を身につけていきましょう。

ところで「生きる力」とはどんな力でしょう?松陰高等学校燕三条校のパンフレットの表紙にも「生きるをつくる」学校と書いてあります。抽象的で分かりにくいですよね。私達教職員間でもよく討論し合います。「生きる力」って何だろうと・・・。

ご存知のとおり、私たちの学校は「吉田松陰」の名前を冠した高校です。ですから教育をしていく上で悩むことがあれば、必ず吉田松陰の教育方法に立ち返るようにしています。

松陰は江戸時代末期の人です。長州の片田舎、萩で「松下村塾」という学塾を経営していたことで知られています。門下生には高杉晋作、桂小五郎、伊藤博文、山形有朋など、錚錚(そうそう)たる人たちが名を連ねていました。

激動の時代でしたので、中には若くして亡くなった人も沢山いるのですが、多くの門下生は、明治新政府の総理大臣や大臣などの要職につき、活躍しています。

実は松陰が松下村塾で教育した期間はわずか、1年半しかありませんでした。その間に79名の若者を教育したと言われています。

こんな短い期間にどうしたらこれほどの優れた若者を育て上げることができるのでしょうか?

ゆっくりと、「読み書きそろばん」を教えたのでは間に合いません。松陰がしたことは、「君は何のために生まれてきたのか」、「君の生まれた目的は何なのか」という問いに答えを出させることでした。

ある若者が、「そんなことを言われても自分にはわかりません」と言うと、松陰は「至誠を貫きなさい」と言ったそうです。「至誠を貫く」とは、その時その時に与えられたことに本気で取り組むということだと私は解釈しています。

つまり「普段やらなければならないことを真剣に、本気で、心から行いなさい。そうしているうちに自分の使命が必ずわかるようになるでしょう」と松陰は若者たちに教えたのです。

皆さんは挨拶をするときに、心から真剣にしていますか?

掃除をするときに、心を込めて本気でやっていますか?

人の話を聞くときはどうでしょう?

自分の人生の目的がまだ見つかっていない人はたくさんいるでしょう。それを見つけるためにまずは、「至誠を貫く」ことから始めてみましょう。松陰高等学校での3年間、このことをやり抜けば、知らないうちに「生きる力」が備わり、自分の人生の目的が見つかるに違いありません。

 松陰高等学校燕三条校 代表 梅田 純子